4月23日は、カタルーニャの守護聖人、「サン・ジョルディ」の日。
カタルーニャ地方には、素敵な習慣があります。

男性は女性に赤いバラを贈り、
女性は男性に本を贈る。

日本で言うと、バレンタイン・デーみたいなものですね。

これがまた大々的に行われており、街の中心部、
「グラシア大通り」や「ランブラス・カタルーニャ」には、
本を売る店と、バラを売る露店がこの日だけ立ち並びます。

この雰囲気を楽しもうと、普段は街中には来ないバルセロナ人が集まってきます。
それはもう、クリスマス時期を上回る人出です。

職場でもらったバラを持って、夜遅くまで遊ぶ女性。
会社帰りに、奥さんのためにバラを買って帰る男性。だんなさんのために本を買って帰る女性。

そんな素敵な風景が街を飾ります。
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いわれはというと、

1.そもそもサン・ジョルディって誰?

もともとトルコの王様に仕える騎士だったようです。
ある日、トルコの王様が「キリスト教徒を迫害したまえ」という命令をサン・ジョルディに下した際に、
「そんなことはできませんですがな」と拒みました。
あわれサン・ジョルディは、王様の命令に背いたため殺されてしまいました。
彼の命日が4月23日、この史実がゆえに、サン・ジョルディはキリスト教界の「聖人」になりました。


2.なぜバラの花なのか?

話は時代も場所もずいぶんかけ離れて、カタルーニャ地方にこんな伝説が残っています。

「昔々、カタルーニャと呼ばれる国がありました。

その国には、地を駆け、空を飛び、海を泳ぎ、一息で森や作物を焼き尽くすことのできる
獰猛な恐ろしいドラゴンがおり、住民たちは怪物の怒りを鎮める為に、
毎日1人ずつ生け贄を捧げておりました。

ある日、王様の娘が生け贄になる順番がまわってきました。大勢の人がお姫様のことを思い、
身代わりになることを申し出たのですが、王様はその申し出を受け入れません。
悲しみに心を引き裂かれそうになりながらも、可愛い娘に残酷な運命を全うさせる他なかったのです。

ところが、お姫様が餌食になろうとするその時、真っ白い駿馬に跨がり、
黄金に輝く甲冑をまとった1人の若い騎士が姿を現しました。
彼こそが、お姫様を救いにやって来た騎士サン・ジョルディだったのです。

サン・ジョルディとドラゴンは激しく戦います。ドラゴンの強さは圧倒的で、厳しい戦況が続きました。
しかし、善は常に勝利を収めるもので、サン・ジョルディの手にした槍がドラゴンの心臓を貫き、
見事お姫様を救い出すことができたのです。

溢れ出したドラゴンの血からは、見たこともないほど美しい薔薇が咲き、
サン・ジョルディは、その中でも最も美しい薔薇を手折り、永遠の愛のシンボルとして
お姫様に贈ったのです。
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それ以来カタルーニャの人々は、毎年4月23日をサン・ジョルディの日とし、
愛する人たちに美と教養、愛と知性のシンボルとして、1本の薔薇と1冊の本を贈って
この日を祝っているのです。」


3.なぜ本なのか?

これが、まったく日本のバレンタイン・デーのチョコレート業界と同じく、
商魂たくましい、本屋さんが広めたのであります。つまり、、、

1923年に、カタルーニャ地方の本屋が、この4月23日が、
小説『ドン・キホーテ』の作者セルバンテスの命日(1616年)であり、
さらにシェイクスピアの誕生日(1564年)であって命日(1616年)でもあるという、
文学に非常に縁の深い日でもあることと結びつけて、プレゼント用に本を買うと赤いバラを添えて、
本を贈るという風習を広めた、とのこと。

昨日、バルセロナは、そんな特別な日でした。
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by bonito_seco | 2009-04-25 04:39 | スペイン生活

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