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バルセロナの中心、カタルーニャ広場からランブラス通りを港に向かって下ってきた最終地点に、
コロンブスの塔(Monument a Colom)が建っています。
高さ60mのこの塔は、世界万博の開催に合わせて、1882年に完成しました。

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このコロンブスが指差す方向は、もちろんアメリカ、、、、ではなくて、地中海。つまりアフリカの方になります。バルセロナからだと、アメリカは山の方を指差さなければならないため、
120年前にこれを作った人の妥協感が伝わってきます。

さて、イタリアはジェノヴァ出身と言われているコロンブスの像が、なぜバルセロナにあるのでしょう?

以下概要です。

イタリア人天文学・地理学者トスカネリ(1397-1482)の「地球球体説」に刺激を受けたコロンブス、大西洋を西に向かえばインドに到達すると確信。インド到達計画を企画します。
しかし航海するとなると、船を建造したり船員を雇ったりと、莫大な資金が必要です。

そこでパトロンになってくれる王様を探すべくポルトガル→スペイン→イギリスと各国を訪問しては企画をプレゼンしますが、誰も取り合ってくれません。

再びスペインに向かったコロンブスは、当時レコンキスタ(キリスト教による領土回復運動)が
終了したばかりで、領土拡大を目論むイサベル女王に謁見。
イサベルは、だんなのフェルナンド5世と共にコロンブスへの援助を決め、
彼は遂にスペイン王の命で大西洋西航によるインド到達計画を実施するに至るのです。

さて、かくしてコロンブスは、アメリカ大陸にたどりつき(1492年)、- 死ぬまでインドの一部だと思い込んでいた -、
スペイン帰国後に、当時たまたまバルセロナに来ていた両王に、発見の報告を行った。
このゴシック地区に残る「王の広場」がその謁見の場所と言われています。

クリストファー・コロンブス_e0155786_525164.jpg


と、長くなりましたが、こういうわけです。
この話、ガイドブックにもまことしやかに書かれています。



ところが、「コロンブスはここで両王に謁見していない。この話はまったくでたらめ。」  と、この話を研究していた学者により2年前に結論付けられたとのことです。


500年間、この逸話を信じてきたバルセロナ人、あげくに塔まで建てちゃいましたが、
コロンブスはバルセロナとはまったく関係なかったということですね。。。

ついでですが、このコロンブスの塔、かなり狭いながらも中にエレベーターがあり、
「展望台」フロアに登れます。バルセロナの街を見下ろすことができます。


クリストファー・コロンブス_e0155786_5345128.jpg

by bonito_seco | 2008-12-19 04:58 | バルセロナの話

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